アップルが「AI」の発表を予告。WWDCで新しいSiriを見ることができるか?
アップルは、AI(人工知能)の分野で大きな発表を控えていることを示唆しました。ティム・クックCEOは、2月1日の第1四半期業績発表後の会見で、生成AI技術に投資を続けていることを明らかにし、今年(2024年)内に詳細を発表すると述べました。
生成AIとは
文章や画像などのコンテンツをAIが自動的に生成する技術のことです。
例えば、GPT-3やDALL-Eなどの大規模言語モデル(LLM)は、人間のように自然な文章や画像を生成することができます。
このような技術は、様々な分野で応用される可能性がありますが、同時に倫理的な問題や社会的な影響も引き起こす可能性があります。
アップルは、すでに広義の「AI」や機械学習を用いた機能の開発と導入に精力的に取り組んでいます。
iPhoneやiPadで、写真やビデオに含まれるテキストや情報の認識ができるようになったのもこうした取り組みの一環です。
また昨年秋にリリースしたiOS 17では、ユーザーそっくりの声をAI生成する「パーソナルボイス」を提供していました。
しかし、クック氏が今回のように「AI」という場合、まだアップルが公式には製品に組み込んでいない、生成AIを意味する可能性が高いと考えられます。
実際、クック氏は昨年夏には米Reutersの取材にて、明確に生成AIに言及していました
「我々は生成AIを含む、幅広いAI技術の研究を長年行ってきました。人々の生活をより豊かにするため、これらの技術に投資し、革新を起こし、責任を持って製品を進化させ続けるつもりです」と発言していました。
では、アップルはどのような生成AIの製品やサービスを発表するので
しょうか?そのヒントは、同社の代表的な製品であるiOSにあるかもしれません。アップルは、毎年6月に開催されるWWDC(世界開発者会議)で、次期iOSの新機能を発表するのが恒例となっています。
今年は、iOS 18が発表されると予想されています。
iOS 18には、何が含まれるのでしょうか?
その答えは、Siriにあるかもしれません。
Siriは、アップルの音声アシスタントであり、iOSの中核的な機能の一つです。
Siriは、ユーザーの声の入力に応じて、様々な情報や操作を提供することができます。
しかし、Siriは、現在のところ、生成AIの技術を活用しているとは言い難いです。
Siriは、主に既存のデータやコンテンツに基づいて、あらかじめ用意された回答や応答を返すことができますが、自ら新しい文章や画像を生成することはできません。
しかし、これが変わる可能性があります。
アップルの社内情報に精通するBloombergのMark Gurman記者は、同社が新たなAIシステムの基盤技術を開発中であり、これに基づく「より賢いバージョンのSiriが、早ければ来年にも完成する可能性がある」と主張。
そして2024年には発表するかもしれないと述べたこともあります。
またアップル関連情報サイト9to5Macは、iOS 17.4ベータ版を解析した結果、同社が独自のAIモデルを開発している手がかりが見つかったと報告していました。
さらに英Fiancial Time(Ars Technica経由)は、複数の識者やアナリストらが、次期「iOS 18」にLLM(大規模言語モデル)を搭載したSiriが含まれる可能性があると予想していることを伝えています。
LLMを搭載したSiriは、ユーザーの声の入力に応じて、自ら新しい文章や画像を生成することができるかもしれません。
例えば、ユーザーが「今日の天気は?」と尋ねたとき、Siriは「今日の天気は晴れです。気温は最高で25度、最低で15度です。日差しが強いので、帽子や日焼け止めを忘れずに」というような文章を生成することができるかもしれません。
また、ユーザーが「私の似顔絵を描いて」と尋ねたとき、Siriは「こちらがあなたの似顔絵です。どうぞ」というように画像を生成することができるかもしれません。
もちろん、これらはあくまで予想や推測に過ぎません。アップルが実際にどのような生成AIの製品やサービスを発表するのかは、まだ分かりません。
しかし、クック氏の発言や、さまざまな情報源からの報道や分析から、アップルが生成AIの分野で何かしらの動きを見せることは間違いないと言えるでしょう。
今年のWWDCで、新しいSiriを見ることができるかどうか、私たちは期待と興味を持って見守りたいと思います。
アップルが、生成AIの技術をどのように活用し、人々の生活をより豊かにするか、そして同時に倫理的な問題や社会的な影響にどのように対処するか、その答えは、近い将来に明らかになるでしょう。
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